規格だより8 個人情報と現場の取り組み (4)同意をとる・・・は免罪符?

個人情報の利用にあたっては、本人等の同意が必須です。同意のない個人情報を利用してはいけません。

ならば、本人等の同意があれば何をしてもいいのか?は、違うと考えます。

本人にとって、不利益はないか、リスクを高めててはいないかを推測できるのがその道のプロではないでしょうか?

 

昨今、親が自分の子どもの写真や情報を、SNSなどネット上に投稿することをシェアレンティングと呼んで、注意喚起がされています。

シェアレンティング(Sharenting)=「Overshare(過剰にシェアすること)」と「Parenting(子育て)」を組み合わせた造語

 

親が自分の子どもの写真や情報を投稿することの何が問題かというと、そこに子ども本人の意志が尊重されていないことです。

これと同じようなことを現場でしてはいないでしょうか?

特に保育園など小さなお子さんの施設のホームページに、園児さんたちの写真を掲載しているものも少なくありません。多くの場合、保護者の同意を得ているとおっしゃいます。確かに親はわが子の写真が保育園の広報に使ってもらえれば嬉しいです、誇らしいです。では、本人も嬉しい? 誇らしい?

 

シェアレンティングのリスクは、ネット上に投稿されたデータは投稿元で制御できなくなることにあります。いくら親が構わないといったからといって、子どもを養育・保育するプロが簡単にそれをしてはいけません。百歩譲って、保護者の同意を得たお子さんの写真をホームページで利用するなら、その同意は在園期間のみ有効で、卒園したら即、削除するか、改めて同意を取り直す必要があります。その管理ができていますか?

同意をとっている・・・は免罪符ではありません。特に小さなお子さんにとって、この先の長い人生に少なからず影響を与える可能性があることを、子育てのプロが見逃すことがないように、今一度、写真の活用についてご検討をお願いします。

 

【福祉規格総合研究所 所属評価者の皆さまへ】

上記、詳細解説をメンバーページに掲載しました。現在の個人情報の類型も紹介しています。評価活動に活用してください。(Y)

Top